朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」(3月)
今月の兼題は「カフェきごさい」サイトより、2月の季語「鳥帰る」料理「常夜鍋」花「柊の花」です。
【特選】
もの食うて寝て帰雁の空の下 隆子
雁が帰る頃、地上では変わらぬ人の営みが。思いのこもった一句。
【入選】
シャッターに閉店の紙鳥雲に 澄江
気持ちは伝わるが、少し細かく描きすぎた。
常夜鍋雪から掘りしものばかり 隆子
「ものばかり」が漠然としている。漠然としているといい感じに思えるが、時に要注意。
歩き出す幼子の笑春さそう 守彦
「歩き出す」に動きがあっていい。春が動き出す感じがする。「さそふ」。
柊の垣を超えくる人は誰 隆子
「花柊垣を超えくる人は誰」。
守り継ぐ島の教会春北斗 澄江
この作者の句はきちんと描こうとして細かくなりすぎることがあるが、掲句はその特性が生きてしっかりと描けた。「春北斗」には思いが感じられるが「春の星」とおおらかに詠む方法もある。
春の精も叩き起せやフラメンコ 光加
「叩き起せ」はちと乱暴だが、春を待ちわびる気持ちを勢いよく現した。「も」は不要。
今月は冬から春に移る季節感に溢れた句が並びました。4月の兼題は「カフェきごさい」より4月の季語「春眠」、料理「翁和え」(木の芽和など)、花「苺の花」です。
白鳥は頚まつすぐに帰りゆく 光枝